子どもを入学させたい、企業が採用したい…。社会人からの評価が高い大学ランキングを見ると、やはり旧帝大が上位を占めるが、コミュ力の高さなどで私立大もランクインしている。時代に即した改革を続けていることや、学びの多様性が、新たな指標となってきているようだ。発売中のAERAムック『就職力で選ぶ大学2022』(朝日新聞出版)から紹介する。
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自らが抱く大学のイメージと、一般的な評価の間に違いはあるのか。それを確かめるための指標の一つとして活用できるのが「社会人からの評価ランキング」だ。
このランキングは全国の25~69歳の社会人1千人に対し、2021年に行ったインターネット調査をまとめたもので、回答者の平均年齢は47・2歳。
各組織で中心的役割を果たす社会人からの評価が色濃く反映されている。
それでは、実際のランキングを見てみよう。全ての項目で高く評価されたのは東京大だ。「コミュニケーション力が高い」を除く四つのランキングでトップを独占。日本の最高学府と呼ばれるにふさわしい評価を得た。
ランキングの上位は、いずれも東京大、京都大、早稲田大、慶應義塾大の4大学が占める結果となっている。どの大学も言わずと知れた最難関大学であり、社会の各分野で卒業生が活躍している。知名度の高さという点でも圧倒的で、納得の結果だろう。
■安定の旧帝大実績が評価に
この4大学の間に唯一食い込んだのが、「20年で社会的評価が高まった」で3位にランクインした近畿大だ。入試の志願者数は9年連続で全国トップを快走。「近大マグロ」と呼ばれるクロマグロの養殖や、ユニークな広告の数々により、一般からの認知度も高い。この数年で国際学部や情報学部を新設するなど、時代に即した改革を続けていることが評価された。
次に上位4大学に続く大学を見てみよう。「自分の子どもに入学してほしい」の項目では、難関国立大の強さが際立つ。七つの「旧帝大」が全てランクインし、早稲田大、慶應義塾大を除く私立大はトップ10に入らなかった。