「天皇や皇太子となると、私的なことでも通常は宮内庁が関わり、必要があれば調べることもあるでしょう。一方、宮家皇族の場合は側近職員も少なく、また自由度も高いため、宮内庁が把握していないこともあると思います。文鮮明氏は反共主義の政治団体『国際勝共連合』を68年に立ち上げており、岸信介氏とも関係が深かったといわれています。想像ですが、三笠宮殿下は元総理の岸信介氏からの依頼を受けて、私的にお会いになったのではないでしょうか」

 同芸術団や旧統一教会はどう答えるか。

 同芸術団に、当時の皇太子ご夫妻が公演を観覧した経緯や、その当時の様子をHPやYouTubeで使っている趣旨について尋ねたが、「当芸術団の日本公演をご観覧されたのは事実ですが、それ以外のことは存じ上げていません」と答えるのみだった。

 旧統一教会には、三笠宮さまが写る写真を掲載しているサイトとはどういった関係なのか、皇室関係者との写真を布教などで使ったことがあるか、どういった経緯で三笠宮さまと面会したのかを尋ねた。

 サイトについては「当該ホームページと当法人は全く関係ございません」と関係を否定した。皇室との写真については、「布教のための広報活動に使用したことは一切ございません」。

 三笠宮さまとの面会の経緯については、資料が古く確認できなかったとしたが、「Wikipedia等の情報から推察するに、三笠宮崇仁親王が日本オリエント学会の会長も務めた1967年に『聖書年代学』(ジャック・フィネガン著)を翻訳されていることから、キリスト教研究の一環として当法人とコンタクトを持ち、会食および写真撮影の機会を持つようになったのではないか」と回答した。

 宮内庁にも事実関係を確認すると、上皇ご夫妻が当時、同芸術団の公演を観覧したことは認めたうえで、「公演については、外務省や文化庁等が後援しており、主催者からの要望があり、お出ましになったと思われますが、詳細は確認できませんでした」。三笠宮さまとの面会については、「文書では確認できませんでした」としている。

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これ以外にもかかわりはなかったのか