写真を掲載していたのは、英語などで旧統一教会の原理や出来事などを詳細に紹介するサイトだった。サイトの運営者は明示されていないが、過去のサイト情報を調べると、問い合わせ先に、旧統一教会の「お問い合わせフォーム」がリンクされていたことが確認できた。さらに旧統一教会のHPの内容と同じページが作られていたこともあった。
写真に付けられた英語の説明では「文師は1965年1月に韓国から第1回となる世界ツアーに出た」「日本で2週間過ごした」などとあった。
先に紹介した旧統一教会の書籍『日本統一運動史』を開くと、文鮮明氏は65年から世界40カ国に拠点をつくるための旅に出ており、この年の1月28日から2月12日までの約2週間、日本各地に滞在していたことが記録されている。そして、こんな記述がある。
<2月10日午後2時に真の御父様(注:文鮮明)は羽田に到着され、直ちに本部に戻られて着替えをされ、三笠宮殿下との会見に臨まれました>
三笠宮さまの写真と、サイトに掲載されている人物をつきあわせると、酷似しており、同一人物と見られる。
これらについて専門家はどう見るか。元宮内庁職員で、皇室ジャーナリストの山下晋司氏が語る。
「リトルエンジェルス芸術団の公演を鑑賞されたのは、霊感商法で統一教会が問題視される前です。通常の公務としてお出ましになったのではないでしょうか。外務省や文部省など省庁が後援していれば、日韓の交流という目的でお出ましになることは十分に考えられます」
また、三笠宮さまと文鮮明氏らとの写真については、
「三笠宮殿下は間違いないと思います。ただ、他に皇族の方はいないようですね。このような写真を撮る場合、皇族方は前列にお座りになるはずです。後ろにお立ちになることはないでしょう」
皇族と会うことは可能だったのか、またどういった経緯だったのか。山下氏はこう見る。