安倍元首相と一水会は「愛国」という共通項や、いわゆる「右」という点では、同じ方向を見ているようにも映る。
だが木村さんは、根本的な違いを強調する。「『愛国』や『戦後レジームからの脱却』という姿勢は確かに同じですが、米国に従属した安倍さんと、米国からの自主自立を目指すわれわれの立場は明確に違います」
経済政策についても批判的だ。
「格差社会などもってのほか。富めるものは富み、貧しいものが増えていく。国を愛するなら、貧しい国民が増えていく状況を改善する努力を怠ってはいけなかった」(木村さん)
国葬は、国民の批判が強まる中で行われる。2022年9月27日は、日本に何を残すのだろうか。
「岸田首相の点数稼ぎ。『誠』のない上っ面の国葬で、上っ面の『美しい国』。何も残らないのかもしれませんね。ただ、危惧するのは、こうした優柔不断なトップほど、今回の国葬も含め、周囲にあおられて極端なことをやりたがる傾向があるということです」
木村さんはそう憂いた。(AERA dot.編集部・國府田英之)