
ラジオは、情報を得るのは基本的には耳からしかないじゃないですか。ラジオのすごいと思うのは、耳だけからの方が情報の理解が、かえって深まること。僕も色々なラジオ番組を聴いていて、ラジオリスナーですけど、聴いているだけというのは、視覚からの情報がないから、より理解しようと脳が動いている感じがするというか、思考が動く。研ぎ澄まされる気がするんですよね。
ラジオの方が、視覚的に分かりやすくしていないぶん、より人に言葉が伝わるんじゃないかと思う時もある。ラジオは「嘘ついている人」がバレるんですよ。キャラを作ってしゃべっている人はバレると思っていて、どうしてかと言うと耳だけで聴くメディアだから。ラジオを聴いている人は、聴こえてくるものだけから色々把握していこうとするから、人間性とかを見抜かれるし、「この人は信用できる」「この人は嫌い」とはっきり判別されるメディアだと思う。
いまスマホやネットでラジオ番組を聴けるradiko(ラジコ)ができたから、全国のラジオが聴けるわけですよね。いろんなラジオ番組が聴けるのは、ラジオに廃れゆくメディアと言われながら衰退しない理由のひとつでもありますよね。また、アナログだけれども廃れさせてはいけない大事なメディアの1つだなとも思った。
ラジオの大切さを改めて感じた感覚は、SNS で公開した電話番号に相談者が電話をする番組『今君電話』(Eテレ)を始めたときと似た感じがあります。ラジオと電話相談の人と人との結びつきは似ている。電話やラジオの発明もすごかったんだけど、いつしか、いろんな便利な道具が出て来た。インターネットはもちろんだし、世界中の人と人とがつながった。AIによって、住んでいる場所、言語関係なく人と関われる。写真も動画もスマホから瞬時に共有できる。便利な世界にはなっているけど、ラジオの底力を感じるのは、人間そのものは変わらないからだと思う。ラジオというメディアは人間の心に響く。