ウィリアム王子とキャサリン妃の公式インスタグラムのフォロワーはいまや約1459万人。問題児扱いであるにせよ、ヘンリー王子とメーガン夫人も王室離脱後にインスタグラムは止めたものの、この夏から独占契約を結んだ音楽配信サービスSpotifyでメーガン夫人はポッドキャスト番組『Archetypes(アーチタイプス)』を配信。Spotifyランキングで首位に輝いた。
北欧やベルギー、オランダ、ルクセンブルクのベネルクス諸国の王室も、どんどん英国王室を真似て国民との関係を深めていった。それは、皇室にも同じことが言えよう。「皇室は自分たちのためにこんな努力してくれているんだ」と皆に理解してもらわなければ、皇室は大切だから残そうという議論にならない、と君塚さんは言う。
「新しい参事官方が何を活動するのかわかりませんが、つまらない公式の情報をツイッターでつぶやいて皇室も『SNSやりました』とアリバイ作りをしたころで、まさに税金の無駄ですし、余計にみじめなだけです。いまの誰の興味をひかない宮内庁のホームページは、さっさとやめるべきだと思いますよ」
皇室の公務は少ないのか
君塚さんは、天皇家と秋篠宮家、そして愛子さまや佳子さまなど皇族がそれぞれに個人発信しなければ、意味はないと話す。
だが、炎上の心配はないのだろうか。
「炎上をさせないセキュリティーや防止策は、海外王室も措置をとっているはずです。それよりも私は、英国王室と比べて圧倒的に公務や仕事が少ない、いまの皇室の方が気になります。逝去したエリザベス女王は最後まで、600近い団体の総裁職などを務めていた。しかし、下手な発信の仕方をすれば、公務の少なさが目立ちかねない。日本の皇室ついては、政府がある意味で腫れ物に触るような扱いをしてきた。それが、逆に国民との距離を広げているのではないでしょうか」(君塚さん)
ホームページへの掲載がSNSに変わっただけ――なんて形で終わらない情報発信を期待したい。
(AERA dot.編集部・永井貴子)