障害のある人の作品を販売する雑貨店「マジェルカ」の店内(撮影・浅井秀樹)
障害のある人の作品を販売する雑貨店「マジェルカ」の店内(撮影・浅井秀樹)
障害のある人の作品を販売する雑貨店「マジェルカ」の店内(撮影・浅井秀樹)
障害のある人の作品を販売する雑貨店「マジェルカ」の店内(撮影・浅井秀樹)

 東京の吉祥寺駅から繁華街を歩くと、ユニークな雑貨店「マジェルカ」がある。運営法人の伊藤みのり理事によると、ものづくりをしている全国50くらいの福祉施設から雑貨を買い取り、販売している。身体障害者や知的障害者の手づくりのカバン、陶器、小物などを店に並べる。

 障害者が働く事業所は全国に2万以上あり、多くは企業の下請けや歩道の掃除などを行っている。パンやクッキーなども含め、ものづくりをするのは、そのうちの一部という。伊藤さんは「素敵なものをつくっているところもありますが、バザーなどで二束三文の値段で売られています」と話す。ものづくりや販売のプロが福祉現場にはおらず、一般市場に比べて控えめな価格をつけがち。販売は「バザーなどで、安くて当たり前というのがスタンダード」になっているという。

 マジェルカは「福祉の分野でもフェアトレードで、適正な価格にしたいと、一般の市場でチャレンジしている」と伊藤さんは話す。大量生産の安価な商品と違い、「アート性のある手仕事の作品は一点もの」と強調する。店の商品には集中力の結晶のような、緻密(ちみつ)な刺繍や、豪快なセンスにあふれた織物を素材にした作品もある。「いろいろな手仕事にフォーカスして紹介している」という。「買ってあげる」ではなく、「素敵だから買う」となってほしいと伊藤さんは願っている。

 マジェルカのように、障害のある人がつくる商品は、一般の市場で対等な競争ができない事情もある。伊藤さんは「福祉施設は小さくて、量産や計画的な生産ができません。少量のものを、すごく手間をかけてつくっています」と話す。

■身近な素材で手工芸品づくり

 一般の市販品と違い、一点ものの個性的な作品に高い価値を見いだす人がいても不思議でない。デンマークでは、障害のある人たちが手間や時間をかけて手づくりした作品だからこそ、一般商品の2倍の価格で販売していると聞いて、伊藤さんは驚いたという。こうした商品が「身近にあると知ってもらい、利用してもらいたい」と伊藤さんは期待している。

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