50周年記念バッグ。「認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会」提供
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 フェアトレードのコーヒー豆は、安価なものに比べ「4~5倍くらい値段が高い」という。

 こうした消費行動を野口さんが考え始めたのは、数年前に趣味で始めたサーフィンがきっかけ。「海でごみが多いことに気づき、休日に子どもを連れてごみ拾いをしていた」と話し、社会的な課題に関心を持つようになった。

 野口さんが働くエクネスは、コンサルティングやダイレクトメールの手書き代筆などをする。最近はロボット代筆が多くなっている。

 エクネスは昨年春ごろ、全国の提携農家から規格外の野菜を引き取り、顧客へ通販も始めた。同じころ、従業員向けにエシカル手当の支給も始めた。野口さんによると、従業員は家族も含め、古着を買って領収書を会社に提出すれば月額最大5千円が支給される。野口さんは、新しい服が大量廃棄されている問題を指摘し、会社が持続可能なファッションを従業員に推奨しているという。最近の若年層は、こうした会社の取り組みに関心が高く、求人募集には共感した人がたくさん応募してくると話す。

 東京でファイナンシャルプランナーをする阿部理恵さんは最近、エシカル消費を意識するようになったという。家計相談をしていた昨年、相談者が取り組んでいたSDGsに興味を持った。SDGsとは、国連が2015年に採択した持続可能な開発目標のことで、消費者の安全確保や適正な取引実現など17の目標がある。

 阿部さんは、化粧品のファンデーションをオーガニックなものに替えてみた。メイク落としにオイルなどを使わず、石鹸で洗い落とせる。「値段は若干高いけど、長く使えて、あまり気にならない」と話す。環境に優しい化粧品は値段が高くなるが、「自分のなかに許容範囲があり、年間にどれぐらいまで寄付できるか。化粧品は高くなっても数百円」という。

■資産運用でもSDGs投信

 オーガニックなファンデーションは、従来品に比べ薄くしか化粧できないが、コロナ禍のマスク生活で化粧をあまりしなかったため、「化粧している感じはある」と阿部さんは話す。次の買い替えでは、別のメーカーで自然に優しいものを探してみようと考えている。

 資産運用でも、阿部さんはSDGs関連投資信託に「せっかくだから」と投資した。「今後もいろいろ試してみたい」と話し、オーガニック食品など体にいいものや、環境に優しい洗剤なども、次の買い替えで考えてみたいという。

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