たとえば、スゴ腕の職人さんが立ち上げた会社の場合、その技術力を売り込むのに、営業の人がいなくては利益につながりません。また、作ることに才能のある社長さんでも、次の世代を育てられなければ、会社は一代で終わってしまいます。つまり、営業もマネージメントも、スゴ腕職人の社長さんにとっては、なくてはならない存在です。

※写真はイメージです(Getty Images)
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■C.相性が悪いと感じる人(感覚の合わない人、自分の苦手な部分を持っている人)

「相性が悪いと感じる人」とは、「合わないな」「苦手だな」と感じる相手です。相性が悪いと感じている人が、相性のいい人?」と、一瞬よくわからなくなりますが、「合わないけれど、結果的に助けられた」「この人ムリだと思っていたけど、新しい価値観を教えてくれた」という相性があるのです。

 たとえば、「年の差など気にせず、誰とでもフランクに話したい」という人が、「タメ口で話すなんてもってのほか、社内でも敬語を使うように」という上司の下にいたら、職場でストレスが溜まるでしょう。自分にはやりやすいスタイルがあるんだから好きにさせてくれよという人にとって、別の価値観を強いてくる上司は「合わない」人です。

 しかし、この上司と出会ったことで、尊敬語、謙譲語、丁寧語を使いこなせるようになり、おかげで取引先の社長さんとも仲よくなれて、大口の仕事をもらえたとしたら……。合わないなと思っていた上司との出会いは、その人にとって「運命の出会い」だったと言えます。

 また別の例として、「仕事は効率重視、他人に構っている暇はない」と思っていた人が、ミスを犯してしまい、職場のスタッフに助けられ、その後、親切に面倒を見てもらったとしたら……。

 その人は、これまで持っていなかった「他人と関わる」ことの価値を知り、おかげでかけがえのない仕事仲間がいることに気づきました。この助けてくれたスタッフは、ある意味、「運命の人」と言えるかもしれません。

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「苦手だな」という感覚はなぜ生まれるのか