歌手でタレントのロルフ・ハリスが、母国オーストラリアで授与した二つの名誉をはく奪された。

 彼は2012年に“オーストラリア文化の振興を通して芸能・視覚芸術、慈善団体、国際関係に功労があった”としてAO(オフィサー・オブ・ザ・オーダー・オブ・オーストラリア)を、1989年には“芸能人として社会に貢献した”としてAM(メンバー・オブ・ザ・オーダー・オブ・オーストラリア)を受賞。キャリアを通じて多くの栄誉と賞を獲得し、英国でNo.1になった「トゥー・リトル・ボーイズ」や米“ビルボードHot 100”で3位、英国で9位となった「悲しきカンガルー(Tie Me Kangaroo Down, Sport)」などのヒット曲を持つ。

 オーストラリアで生まれ、40年以上英国で暮らしたハリスは4人の女生徒に対する12件の強制わいせつ罪で英国での5年9か月の懲役判決を受けた。オーストラリア総督 ピーター・コスグローブはハリスが未成年への性犯罪を犯したことを踏まえ“オーダー・オブ・オーストラリア”一般部門の二つの名誉をはく奪。総督は、受賞者が賞の信用を落とすような行為を行うか有罪判決を受けた場合に名誉を取り消すことができるが、ハリスは両方の基準を満たしている。

 さらに、投獄の直後、彼はオーストラリア人間国宝のリストから外され、ARIA(オーストラリアレコード産業協会)の殿堂入りを撤回され、BAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)の会員資格とイーストロンドン大学の名誉学位も取り消されたのだ。

 もしも84歳のハリスが自由の身になったなら、自宅の飾り棚が空になっているのを見ることになるだろう。