すべてはマスク氏の頭の中に

 西田さんいわく、SNSは「デジタル時代のたばこ」だと言う。

「なくても暮らせる。にも関わらず、なんとなく生活のすき間になくてならないものになっている。でも、たばこの値段が上がって、若者はどうなったか? もうたばこを吸う人はほとんどいないですよね。SNSを有料化するのは、たぶんそういうことだと思います。無料のときは書き込みをしたり写真をアップロードしたりして楽しんでいるわけですけど、有料化すると、別になくてもいいものなんだな、と気がついてしまう。なので、お金を払ってでも使うメリットをユーザーが感じられるものにしなければならない。でも、本当にそれが成り立つのか? マスク氏はまだそのモデルを示せていません」

 これまでマスク氏はツイッターが「検閲」のない自由な言論空間であることが重要だと主張してきた。しかし、それが実現することによって、ユーザーが増えるかは誰にもわからない。

「エビデンスはありませんから、それによって儲けを出せるのか、きちんとしたビジネスができるのか、わかりません。広告主はそこを見ていると思います」

 ツイッターは上場廃止となったので、株主の声を聞く必要がなくなり、マスク氏以外に取締役もいない。自分の意に沿わない社員も必要としない。

 ツイッターにはどんな未来が描かれているのか、すべてはマスク氏の頭の中にある。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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