2008年度の募集でJAXAの宇宙飛行士候補者になり、実際に宇宙へ行った油井亀美成氏、大西卓哉氏、金井宣茂氏(左から)/(c)JAXA
2008年度の募集でJAXAの宇宙飛行士候補者になり、実際に宇宙へ行った油井亀美成氏、大西卓哉氏、金井宣茂氏(左から)/(c)JAXA
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 13年ぶりとなる日本人宇宙飛行士の選抜試験が、いままさに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって行われている。今回の募集には過去最多の4127人が応募したという。

【図版】宇宙飛行士になれる唯一の方法!JAXA宇宙飛行士選抜試験の流れ

 プロの宇宙飛行士になるためには、自分が国籍を持つ国の宇宙飛行士選抜試験を受ける必要がある。基本的にはこれが宇宙飛行士になるための唯一の方法だと考えていい。日本の選抜試験はJAXA(宇宙航空研究開発機構)が主催しており、JAXAの前身であるNASDA(宇宙開発事業団)が1983年に第1回募集を行っている。

 それ以降、2022年までに行われた募集は計6回。実施は不定期で、ある日突然、告知される。募集と募集の間が最も長かったのは、2008年の第5回から今行われている2021年告知の第6回の13年間だ。

 これから宇宙飛行士になる人々は、どんな訓練を受け、宇宙のどんな場所で活動することになるのだろうか。『夢の仕事場 動画と図解でよくわかる 宇宙飛行士』から紹介したい。

 かつて毛利衛氏や向井千秋氏は、スペースシャトルでの実験を主なミッションとしたが、1998年に国際宇宙ステーション(ISS)の建設がはじまると、JAXAの宇宙飛行士の活動の場はISSへと広がった。そのISSも2030年には退役する予定。つまり、2021年度の選抜試験で誕生する宇宙飛行士はかろうじて、ISSで活動する機会があるが、その次の世代が宇宙飛行士になるころにはISSはすでになく、その舞台は、NASAが提案する月探査プログラム「アルテミス計画」の領域へと移ることになる。

 実際、JAXA選抜の募集要項に書かれている、これからの宇宙飛行士が行う業務内容には、月の宇宙ステーション「ゲートウェイ」での活動や、月面探査などが明記されている。

 募集要項には書かれていないが、ISSの後継機となる民間の宇宙ステーションの建設も2024年以降に始まるため、日本のプロ宇宙飛行士はこうした場でも活動することになるだろう。日本人宇宙飛行士の活動の場が、1機のシャトルからISSまで広がったように、これから宇宙飛行士になる人々の活動領域は、地球を周回する軌道上から、月そして火星へと広がっていくのだ。

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