歌やダンスの経験がなかったからこそ、のびしろが無限大のようだ。ドラマが進行していく中で、佐神弾が、いや高橋さんが「進化」していく姿も楽しみでならない。
弾は、一匹おおかみに見えて、若さと青さが残る人物だ。いうなれば”一匹ワンちゃん”だろう。仲間思いのリーダーではあるが、周りに伝えるのが苦手で、ツンが多めのツンデレという性格。実際の性格について「ツン多め?」と聞くと「はい」と即答しつつ笑顔でこう話す。
「ツンは友達に対してだけです。仲のいい友達には、『ツンデレ』って言われますね。なんか、弾ほどじゃないけど『だったらもういいよ!』なんて、心から思っていないのに言ってしまう。その反面、寂しがり屋だったり、甘えたがりなところがあるのでツンデレと言われます」
役作りについては「最初の頃はなかなか入ってこなかったです」と語る。転機となったのは、主演の本田翼さん演じる仲町あす花との出会いだ。
「最初に台本を読んだときに、自分が演じている姿を想像することが難しかった。いつもなら、『どういう人なんだろう』と客観視し、インプットできる部分が多かったんですけど、それが、この役には見つからなくて。自分がやっているビジュアルも姿も表情も声のトーンも想像ができなかった。クランクイン前の本読みなどには役のイメージはつかんで現場に行ってるんですが……今回はリハーサルでも『まだ、これ違うな』『これも、違う』っていうのがあった。いざ、クランクインして、本田翼さん演じる、仲町あす花を目の前にしたときに、『これだな』ってものがひとつストンと入ってきた。あす花の人物像が自分の中に一気に入り込んできて、弾の気持ちがすごくわかったというか、あす花を見て、寄り添えたというか、そういう瞬間があったんです」
今回のドラマではボーイズグループのセンターという立場でもあり、劇中以外でも「リーダー」として振る舞うことを自分に課している。