■貧しさの辛さは、友達と比較することから生まれる
これは実際に経験しなければわからないかもしれませんが、僕はそれなりに辛い思いをしました。
一番キツかったのは、友達から遊びや食事に誘われても、断るしかなかったことです。
当時は友達と誘い合ってコンサートやスポーツを観に行くのが普通だったのですが、僕は20ドルくらいのチケットを買うことができなかった。
もしかすると、「お金がないから行けない」と言えば、友達が払ってくれたかもしれません。でも、僕にもプライドがあるから、そんなことは言えなかった。「予定があるから」「勉強が忙しいから」などと言い訳をしていたので、当時の僕の事情を知らない友達は、僕のことを「付き合いの悪いヤツ」と思ったでしょう。
OECD(経済協力開発機構)は相対的貧困の基準を、「等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない世帯」としています。ちなみに、「可処分所得」というのは、収入から税金や社会保険料などを差し引いた、手取りの収入のことです。
厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」を見ると、2018年の等価可処分所得の中央値は248万円/年、その半分である貧困線は124万円。つまり1年の等価可処分所得124万円未満の世帯が相対的貧困層に当たります。
そこから導き出された日本の相対的貧困率は15.7%です。つまり、全人口の約6人に1人が相対的貧困の状態にあるのです。
相対的貧困の問題に対して、国やNPOなどによる支援は重要です。
■お金の基本を身につけて、生活を守ろう!
ちなみに、人の安全を守る制度などを「セーフティネット」と呼びます。僕はこの言葉を見るたび、「網(ネット)だったら穴から漏れちゃうじゃん!」と思ってしまいます。
だから、セーフティネットじゃなくて、穴のないセーフティブランケット(安全毛布)を作らないといけない。そのためには行政のサポートや、機動性の高い民間のソーシャルビジネスなどの手助けが重要。