ソフトバンクの藤本博史監督
ソフトバンクの藤本博史監督
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 今オフの大型補強で、話題になっているのがソフトバンクだ。

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 今季は「マジック1」でリーグ優勝を目前にしながら痛恨の2連敗で、オリックスに2年連続リーグ優勝をかっさらわれた。2017年から4年連続日本一に輝いた常勝軍団は、王座奪回に向けて本気だ。FAでDeNA・嶺井博希を獲得。投手の持ち味を引き出す強気の配球に加え、意外性のある打撃が魅力だ。「2番手捕手」はカギを握る存在だけに、効果的な補強になる。さらに、ロッテに今季途中加入で守護神を務めたロベルト・オスナの獲得に成功。メジャーで最多セーブのタイトルを獲得するなど通算155セーブを上げた右腕は、今季ロッテで29試合登板し、4勝1敗10セーブ9ホールド、防御率0.91。ソフトバンクは長年抑えを務めていた森唯斗に故障が増え、今季はモイネロが抑えを務めていた。オスナの加入で救援陣に厚みが増す。

 そして、最も大きなプラスアルファが、パリーグ5球団の争奪戦を制し、FAで獲得した近藤健介だ。日本ハムの主力として長年活躍し、広角に打ち分ける高度な高い打撃技術、選球眼の良さで出塁率が高い。野手陣は黄金時代の主力に衰えが見られ、過渡期を迎えている。松田宣浩は今季限りで退団。デスパイネとグラシアルの両主砲も今季限りでの退団が濃厚となっている。中村晃も打率.253、7本塁打とポイントゲッターとしては物足りない数字だった。三森大貴、柳町達、野村勇、正木智也と若手が台頭しているが、まだまだ一本立ちしたとは言えない。柳田悠岐に掛かる負担を減らすためにも、近藤を獲得できた意味は大きい。

 ソフトバンクを取材するスポーツ紙記者は、「近藤の獲得レースは最終的にオリックスとの一騎打ちでした。もし、オリックスに移籍していたら西武からFA移籍した森友哉と共にチームの核になる。オリックスのリーグ3連覇を阻止するためにも、近藤の加入は心強い」と強調する。

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