
横浜FMの3年ぶりのリーグ優勝で幕を閉じた2022年のJリーグ。ワールドカップが開催され、Jリーグからは誰が日本代表に選ばれるか個人のパフォーマンスにも注目があつまった今季の戦いを振り返り、各ポジション別に格付けを行った。今回は「MF・FW編」をお届けする。
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【DH】
・1位:野津田岳人(広島)
ついに“レフティー・モンスター”が覚醒した。昨季レンタル移籍先のJ2甲府で掴んだ自信を手に、スキッペ監督のハイプレスサッカーの中で攻守に躍動。運動量豊富な攻撃型ボランチとして中盤の核となり、守備では体の強さを生かして相手を弾き飛ばし、ボールを握れば高精度かつパワフルな左足を駆使して決定機を演出。リーグ戦出場28試合(2299分)で3得点、リーグトップタイの9アシストを記録した。来季はチームの大黒柱として、さらなる進化を期待したい。
・2位:脇坂泰斗(川崎)
野津田らと並び今季のアシスト王だ。背番号14を背負い、インサイドハーフとして巧みなポジション取りから高い技術を発揮。リーグ戦32試合(2311分)に出場した中で、巧みなボールタッチからのラストパス、プレスキッカーも務めて9アシストを記録した。また、自ら積極的にゴールを狙う姿も印象的で、キャリアハイタイとなる5得点をマーク。現在27歳で、今が選手としての充実期。その背番号通り、中村憲剛を彷彿とさせる働きだった。
・3位:奥埜博亮(C大阪)
8月に33歳となっても運動量に衰えは見せず。ピッチ上を所狭しと動き回り、広いプレーエリアの中で攻守に貢献。「どこでも奥埜」と称えられるほど危険なエリアに必ずと言っていいほど顔を出した。リーグ戦31試合(2667分)に出場して3得点4アシスト。何度もこぼれ球を拾い、インターセプトも見事で、技術的にも年々、進化。ボールを味方に展開した後、勢いよく前線まで駆け上がるプレーで攻撃に厚みを持たせた。
・4位:樋口雄太(鹿島)
新司令塔として躍動した。鳥栖から加入して1年目ながら開幕から中盤で不動の地位を築き、周囲と優れたコンビネーションを見せながらリーグ戦32試合(2412分)に出場して2得点8アシストをマーク。豊富な運動量と激しい守備を見せた上で、優れたテクニックと高精度のキックを武器にチャンスを演出した。また、その右足はプレスキッカーとしても重宝され、鹿島の新たな武器となった。
・5位:小泉慶(鳥栖)
チームの「心臓」として働いた。2ボランチの一角として広いエリアをカバーしながら高いボール奪取能力を発揮。中盤の砦かつ攻撃の起点として、リーグ30戦試合(2621分)に出場。多くの選手が入れ替わり、開幕前に「降格候補ナンバーワン」と言われていた鳥栖を上位争いに導き、最終的に11位でフィニッシュしたが、この男の貢献度は非常に高かった。来季はFC東京でプレーすることが決まっている。