2022年10月14日、円安が進む一方で株価は上昇した
2022年10月14日、円安が進む一方で株価は上昇した
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 2022年は多くの人が歴史的な物価高に苦しんだ。その原因の一つが円安だ。10月には1ドル=150円を突破し、約32年ぶりの円安となった。さらに国際的な資源や原材料の高騰も加わり、物価が急上昇。同月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比3.6%と、約40年ぶりの上げ幅となった。23年の日本経済や物価、株価はどうなるのか、JPモルガン証券のチーフエコノミスト、藤田亜矢子さんに聞いた(12月12日インタビュー)。

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「23年は日本経済にとって、すごく面白い年になりそうです」

 開口一番、藤田さんはそう言うと、その理由を明かした。

「本当の意味で『2%の物価上昇』が見通せる年になってくる。日経平均株価は年末で3万円を予測しています」

 バブル崩壊後、低迷が続き、浮上する機会をつかめずにいた日本経済。13年に財務省出身の黒田東彦(はるひこ)氏が日本銀行の総裁に就任すると、「2%の物価上昇」の目標達成を宣言し、デフレから抜け出すために「異次元の金融緩和」を続けてきた。その目標がついに23年、実現するかもしれない。

 アフターコロナのペントアップ需要、いわゆる「リベンジ消費」があるうえ、好調な企業業績を背景に賃金が上昇。約30年ぶりにデフレから脱却して、日本経済は正常な成長軌道に戻ってきそうだという。

■プロも想定外の米国の利上げ

 その理由を詳しく解説していこう。

 まずは急激な円安を引き起こした欧米、特に米国の連邦準備制度(Fed)の利上げについて、藤田さんは、こう振り返る。

「もう何十年もなかったような大きな経済的イベントで、われわれもFedがこれほどの規模で金融を引き締めるとは想定していませんでした。その原因は予想以上の物価高が起こったことが大きい」

 20年、新型コロナ感染症のまん延で、世界経済が縮小すると、原油や半導体など、経済の基盤を支える原材料や部品の生産が絞られた。ところが、欧米がアフターコロナで経済活動を再開すると、供給不足が一気に表面化し、物価高を引き起こした。

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