もっとも、駅伝だけを強化するための特別入試は他大学では見られない。強豪校のスポーツ推薦入試は複数の競技のなかの一つとして駅伝が位置付けられており、芝浦工業大の駅伝へのこだわりを感じさせる。

 22年、駅伝部専用学生寮「白亜寮」が完成した。大学はこう記している。

「これからも箱根駅伝という目標に向かい、学生が勉学・練習の両面に専念できる施設となるよう取り組んでいきます」(大学ウェブサイト)

■「ステファン・マヤカ選手」が監督に

 桜美林大は13年に「駅伝チーム」が特別強化クラブに指定され、陸上競技部駅伝チーム監督に真也加ステファン氏を迎えた。山梨学院大時代、ステファン・マヤカとして往路2区を区間タイ記録のぶっちぎりで快走したのは、駅伝ファンの脳裏に焼きついているだろう。06年、真也加ステファン氏は創造学園大の指導者になるが、同校が不祥事を起こして閉校になり、桜美林大で監督となった。14年箱根駅伝予選会に1年生チームで初出場したのが、桜美林大の箱根駅伝挑戦の始まりとなる。

 明治学院大は05年、「明学スポーツを強くするプロジェクト」をスタートし、陸上競技部(長距離ブロック)は同プロジェクトの対象となっており、「指定校推薦【スポーツ】制度」がある。19年(95回)に初めて関東学生連合に選手が選ばれ、大いに盛り上がり、20年度、「MG 箱根駅伝プロジェクト」を立ちあげた。

 陸上競技部(長距離ブロック)ヘッドコーチの棚瀬亮治さんは、東京農業大で箱根駅伝に出場している。棚瀬さんはかつてツイッターでこう呼びかけていた。

「4年間という限られた学生生活を本気で競技と向き合い、箱根駅伝に出場したいという強い意志を持っている選手を募集しています。少しでも興味のある方はこちらにDMを送って下さい」(20年4月19日)

 SNS活用の選手募集、いまどきの高校生に合っているかもしれない。

 麗澤大は箱根駅伝予選会で19年(95回)12位(次点)、20年(96回)11位(次点)、21年(97回)13位という好成績を残し、箱根出場まであと一歩だった。22年(98回)は28位とふるわなかったものの、23年(99回)は14位とかなりいい線まで戻してきた。24年(100回)に向けて期待が高まる。

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