■駅伝選手を集める「特別入試」

 芝浦工業大は11年に駅伝部を創部したが、ランナーの半分は大学から陸上競技を始めている。18年(94回)に4年生が関東学生連合のメンバーとして箱根を走った。1区だったので目立った。これが大学初の箱根駅伝ランナーとなる。大学は力を入れた。大学創立100周年の27年までの箱根駅伝出場を目標に「目指せ!箱根駅伝の新星。」をスローガンに掲げ、「駅伝プロジェクト」をスタートさせた。

 当時、芝浦工業大学長だった村上雅人さんはこう話していた。

「理工系大学として、このプロジェクトを通した研究テーマを掲げた取り組みを行い、科学的アプローチによるチャレンジも行っていきます。芝浦工業大学は、学業とともに自らの夢を追いかける学生を応援していきます。そして2027年に迎える大学創立100周年に向けて、学生・教職員・卒業生・保護者が一つになり、この駅伝プロジェクトを推進していきます」(大学ウェブサイト)

 工科系単科大学が駅伝選手を集めるのはむずかしい。大学はできる限りのことをしている。19年から、「駅伝プロジェクト入学者選抜」という特別入試制度を作った。現在は「【総合型】駅伝プロジェクト入学者選抜」と名を変えている。

 出願要件は次のとおり。

●芝浦工業大学への入学を強く志望し、入学後は学業とスポーツ(駅伝)活動を両立させる強い意思をもつ者。

●入学後は、本学陸上競技部駅伝ブロックに所属し、在学期間中は当該活動を継続する強い意思をもつ者。

●次の科目を原則として履修していること。履修科目名が下記科目名と異なる場合は、下記科目と同等の内容を履修済み(または見込み)であることを説明する書類(在籍高校作成、書式自由)とシラバスを添付すること。数学: 数学I・数学II・数学A・数学B。理科: 物理基礎・物理・化学基礎・化学。英語: コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II

●英語資格・検定試験の以下のいずれかのスコアを取得している者。TOEFL® iBT、TOEFL® PBT、TOEIC®L&R+TOEIC®S&W、ケンブリッジ英語検定、GTEC、TEAP R/L+W+S、IELTS、実用英語技能検定」ほか。

 箱根駅伝への強い思い入れだけでは入学できない。理工系科目に強いことが求められる。

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「ステファン・マヤカ選手」が監督に