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今月10日から再開された「全国旅行支援」。観光地にとっては1~2月の閑散期の救いとなる一方で、度重なる仕組みの変更で現場は混乱している。時には、制度を理解していない客に“逆ギレ”されてしまうことも。慢性的な人手不足にあえぐ宿泊施設は負担の増加に疲弊し、離職者が出たり、旅行支援に参加しない決断をしたりする施設も出ている。
「閑散期での旅行支援はありがたいことです。ただ、毎回、仕組みが変更されるので現場は正直、とても疲れています」
支援に感謝しつつも、こう本音を漏らすのは群馬県にある「みなかみホテルジュラク」の鈴木ゆう介(『ゆう』はしめすへんに谷)・副支配人だ。
今回の旅行支援では、クーポン券が「紙」から「電子」に原則統一された。宿泊客が自分で専用のサイトに登録する必要があるが、これが全国各地で混乱を生んでいる。
「どのような仕組みでどう対応すればいいのか、従業員は限られた時間の中で毎回新しく勉強しないといけません。事務的負担も圧倒的に増えました。お客様の側も変更点や使い方を理解されていない方が多く、混乱してしまっているように思います」(鈴木さん)
制度自体や、やり方が分からない宿泊客やスマホの操作が上手にできない高齢者などには、スタッフが操作をアドバイスし、代行することもある。
「当ホテルは100室ほどの部屋がありますが、特に満室の時はチェックインで長くお待たせしてしまっています」(鈴木さん)
また、今回は既に予約済みの客には割引が適用されないため、客側がいったんキャンセルし予約を取り直す必要があった。
ホテル側から予約客にその旨を連絡したが、それでも取り直さずに来てしまった人がいた。
「ていねいにご説明しても納得していただけず、ホテルが悪い! と立腹されてしまった方もいました」(鈴木さん)
さらには、肝心のクーポン決済用の二次元コードが県からなかなかホテルに届かず、県に問い合わせても「順番にやっています」と回答するのみ。初日の10日の運用はあきらめていたという。