博多・38歳女性刺殺事件「元交際相手に付きまとわれて怖い」ストーカー被害を相談していた

　福岡市博多区のJR博多駅近くで１月１６日午後６時過ぎ、福岡県那珂川市の会社員川野美樹さん（38）が殺害された事件で、福岡県警は18日、30代の元交際相手の男（31）を殺人の疑いで逮捕した。この日県警は、男を福岡市内で発見し、署で事情を聴いていた。関係者によると、川野さんは昨年くらいから、男によるつきまとい、ストーカー行為に悩まされていたという。

【写真】子どもとツーショットで笑顔を見せる川野さん

「エネルギッシュで活動的、人思いで子どものために一生懸命に頑張っていたのに」

　言葉少なにそう話すのは、川野さんの友人だ。

　普段は福岡市内の会社に勤務していた川野さん。以前は、博多の歓楽街、中洲の飲食店でも働いていたことがあった。

　川野さんを知る、飲食店関係者は、

「カラオケは演歌からはやりのものまでこなすし、とてもうまい。接客も上手で、ハキハキして人気者でした。けど、半年ほど前から店は休んでいたはず。『ストーカーにつけまわされてる』『一人で帰宅するのが怖い』などと言っているのを聞いたことがあります。かなり深刻そうな感じで、大丈夫なのかと心配していました。シングルマザーでお子さんをかわいがっていて、写真を見せてくれたこともありました。まさかこんな事件に巻き込まれるなんて……」

　と言い、言葉を失った。

　現場は、博多駅正面の大通り沿い。周辺には、ホテルやオフィスビルが立ち並び、普段は朝から晩まで多くの人が行き交う場所だ。

　捜査関係者がこう話す。

「防犯カメラなどを見ると、男は川野さんを見つけると、彼女の横にいき、数十秒ほど歩き、いきなり刃物を手に、川野さんを刺した。そして、倒れた川野さんに馬乗りになるようにして襲った。川野さんは10カ所ほど刺され、救急搬送時はほとんど意識がなかったようだ。現場付近に傘が残されており、元交際相手の男の指紋が検出された」

　福岡県警は18日、この男を福岡市内で発見。署で事情を聴いたところ、事件への関与が強まったとして逮捕した。

　逮捕されたのは、元交際相手の寺内進容疑者（３１）。