「歌会始の儀」での天皇、皇后両陛下
「歌会始の儀」での天皇、皇后両陛下

 今年のお題は「友」で、天皇陛下が吹奏楽部の高校生たちの姿からの思いを表現されたところにも「特に、いまの天皇陛下のそうしたお気持ちは、令和の皇室がさらに近しいものであるという雰囲気を出してくださっていたのを一層感じました」と西出さんはいう。そこに寄り添う雅子さまの表情と装い、佇まいにも気持ちの表れがあった。

 雅子さまの歌は、昨年12月に59歳の誕生日を迎え、人生のおよそ半分の29年半を皇室で過ごしたことに触れ、日々を温かく見守ってくれた友人らへの感謝の気持ちを読まれた。

【皇室に 君と歩みし半生を 見守りくれし 親しき友ら】

 なんとも感慨深い一首であるが、西出さんが注目したのはまず雅子さまのその表情。

「雅子さまの表情がマスク越しでもわかるほど明るくて晴れやかで、とてもお幸せそうに感じました。新年一段と素敵な表情で、こちらもにこやかになってしまうようなお姿には、国民としてうれしくもなりました」(西出さん)

 また、雅子さまの表情とともに装いにも着目する。

「ドレスですが、オフホワイトでレースの編み込みがとても華やかな印象でしたね。控えめながら華やかな印象のドレスと笑顔が本当に映えていらっしゃいました。私は仕事の現場でマナーコンサルタントとしていつもお話するのが、身だしなみというのは、その方の思いを表現するものだということ。今回の歌会始の儀の雅子さまの表情、佇まい、装いの全てから、『明るい』というものを読み取りました。今年は明るく、輝くというか、それが願いなのか、そうなるという確信なのか、そのあたりをとても感じさせていただく印象でした」(西出さん)

 輝く笑顔の雅子さまのドレスのレースは上品で控えめながら本当に華やかだった。そのレースにも西出さんは思いを読み取る。

「雅子さまのドレスはレースでしたが、レースはかぎ針で一針一針紡いでいくもので、私たち国民と気持ちと気持ちを紡いでいく、つないでいくというメッセージも感じました。レースは透かしで先が見えていくというところでも、この先、明るい時代になってほしいという思いや開かれた令和の皇室をこれから見せてくださる期待を想起させてくれましたね」(西出さん)

 雅子さまの笑顔に限らず、誰の笑顔もこの世の中を明るくすることは間違いない。今春、コロナが5類引き下げが検討されているが脱マスクの笑顔溢れる世界が望まれる。(AERAdot編集部・太田裕子)