1月18日に新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」が皇居・宮殿「松の間」で行われた。天皇皇后両陛下ならびに皇族の方々、また、一般の応募1万5005首の中から選ばれた歌の披講の中にマナーの専門家は「開かれた皇室」を感じとり、その中でも雅子さまの表情と装い、佇まいを称賛する。
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【コロナ禍に 友と楽器を奏でうる 喜び語る 生徒らの笑み】
歌会始の儀の中で最後に披講される天皇陛下の和歌は、早く日常生活を取り戻せるようにという強い願いの込められたものだった。
宮内庁ホームページにある解説では<天皇皇后両陛下には、令和三年十月三十日、和歌山県で行われた、第三十六回国民文化祭・わかやま2021及び第二十一回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会に、オンライン で御臨席になりました。 その際、国民文化祭のイベントの一つである「吹奏楽の祭典」において、演奏者の高校生と御交流になる中で、吹奏楽部の生徒さん達が、新型コロナウイルス感染症対策として、生徒同士の距離を空けたり、パートごとに分かれて練習をしたり、楽器の用意や片付けの際に部室へ入る人数を絞ったり しながら練習を続けてきた話をお聞きになりました。この御製は、生徒さん達が、様々な制約がある中でも、創意工夫をこらしながら楽器の演奏を続け、コロナ禍でも友達と一緒に演奏できる喜びを語った姿をうれしく思われるとともに、人々に早く日常の生活が戻ることを願われるお気持ちをお詠みになったものです>
コロナ禍での歌会始の儀は今年で3回目。その思いを特に強く感じ取ったという、大手企業のマナーコンサルティングを長年務めるマナーコンサルタントの西出ひろ子さんは、こう話す。
「歌会始の儀というのは、国民ととても近しい場であるというのを改めて今年、感じさせていただきました。映像ではありますが、儀式の様子を拝見すると、一昨年、昨年同様にきちんとソーシャルディスタンスを取られていました。コロナ対策と経済を回していくことの両立は大切ですが、いま一度気を付けてまいりましょうという思いも感じさせていただきました」