人は、人との関わりの中で生きています。人の喜びの中でしか幸せを感じられないということがわかれば、相手の欲を察し、先に満たしてあげた方が結果的に自分も嬉しくなる、ということがわかってきます。自分の喜びは後でいいんです。相手を先に喜ばせる方が、その場の空気はうまく回り始め、気のいい場には運が集まってきます。
上手に負けた方が結果的に大きな幸せを手にすることがあるのはそのためです。そうして周りに笑顔が増え、みんなに運が貯まっていきます。
■運の貯め方3 努力をしている、そのプロセスを楽しむ
若手の役者さんから相談を受けました。
「売れるにはどうしたらいいでしょうか……」
残念ながら、その発想の時点で売れません。今やっていることの「先にある欲」を求めすぎるのは、貯まってもいない運を使おうとするようなもの。「努力する」ことの先にある「売れる」を狙いすぎては、運は貯まりません。
プロセスをいかに面白がれるか。
売れている役者さんは、多くの人を喜ばせた結果として売れているわけで、陰の努力を見せていないだけです。演じることが本当に好きだから、楽しいから、苦労をものともせず夢中になって面白がっています。そうやってプロセスを楽しめると幸せにつながりやすいのです。
■運はどうやって使えばいい?
運を貯めたら、使わなくては意味がありません。
では、いつ使うのか?
それは運のいいときです。運がいいと感じたら、自分のためだけでなく人のためにも運を使いましょう。
運を水に、人を器に例えてみましょう。運を使うのは「運の水」がその人の器に満杯となったときです。「機が熟す」と言いますが、運の水を使うような出来事が起こり始めます。
「自分にはできる!」と思えたら決断をして、その水をグイッと飲み干しましょう。