
■画面越しの会話はパラパラ漫画が相手のようなもの
対面での会話とオンライン会話には、どのような違いがあるでしょうか? 私たちが考えている、最も大きな影響を与えているであろう違いは、「視線」です。会話において視線を合わせることは肯定的な評価につながることが、多くの心理学研究で示されています。
ビデオ通話の技術的な限界点としてもう一つ挙げられるのは、通信速度です。ネットワーク通信の技術の進歩は目を見張るものがあります。この数年の間でも通信の速度はかなり上昇しました。それでもなお、脳が行っている視覚情報の処理速度とは比べものになりません。現在の技術で作られる映像は、現実のものとはまだまだかけ離れているのです。脳からすれば、画面の中から語りかけてくる人は現実の「人」ではなく、パラパラ漫画の1コマに描かれたキャラクターの1人としか受け取ってもらえていないのかもしれません。
今よりさらに技術が進歩して、ネットワーク通信の速度やパソコンなどの画面の性能が飛躍的に向上すれば、オンラインも対面と全く同じ条件になると言えるのでしょうか? 映画「マトリックス」のような、現実と同じような仮想空間が実現した場合、私たちの脳はどのように反応するのでしょうか? 私自身もとても興味があります。仮想空間へ最新の脳活動計測機器を持ち込んで、ぜひ実験してみたいと思います。