テレビ番組のカラオケ対決で沖縄節を巧みに操る抜群の歌唱力が話題となり、デビュー10周年にして大きな注目を集めている沖縄石垣島出身の女性ユニット やなわらばーが、12月20日に全国ツアーの最終公演【涙宴ツアー2013~クリスマス&大忘年 Special night~】を浜離宮朝日ホール 音楽ホールで開催した。
秋にリリースしたカバーアルバム『涙唄』では、上記した番組で披露してきたカバー曲の数々を収録し、スマッシュヒットを記録した彼女たち。東名阪3会場4公演となった今回のツアーは全会場でチケット完売となり、人気急上昇中であることを改めて証明してみせた。
そうしたツアーのファイナル公演に選ばれたこの日の会場 浜離宮朝日ホール 音楽ホールは、クラシックコンサートが数多く行われている室内楽ホールだ。世界で最も響きが美しいと高評価を得たシューボックス型の同会場は、ふたりの美声を堪能するに相応しいステージだったと言えるだろう。
曲目はオープニングを飾った「みんな空の下」(原曲:絢香)にはじまり、オリジナル曲を交えながら『涙唄』収録のカバー曲も数多く披露した。序盤、バイオリニストが参加して繊細な旋律を加えた「人魚」(原曲:NOCCO)、「ワダツミの木」(原曲:元ちとせ)と続けて感嘆の声を集めれば、MCでは「街を見るとさぁ、イルミネーションが綺麗さぁ!」と独特のイントネーションで笑顔に。ときに息を呑むほどの歌唱力を持ちながら、トークになると愛嬌のある柔らかい人柄を覗かせてくれるのも2人の魅力だ。
また、この日は“クリスマス&大忘年”と題したこともあってか、観客へのプレゼントが満載だ。1月22日にリリースする新作『愛歌』に収録される新曲「何もしなくていいよ」「旅の途中」をリリースに先んじてお披露目する一幕や、2人の私物がもらえるじゃんけん大会。さらにじゃんけんに勝ったカップルをステージ中央のソファに座らせ、その2人に向かい合うようにして「恋人がサンタクロース」(原曲:松任谷由実)を熱唱するスペシャルプレゼントも。
そして終盤には「雪の華」(原曲:中島美嘉)~「M」(原曲:PRINCESS PRINCESS)~「たしかなこと」(原曲:小田和正)と繋いで行くメドレーと、バラエティに富んだ演出で飽きさせることなく観衆を楽しませた。
アンコールでは、現在YouTubeにティザー映像が公開されている新曲「きっと大丈夫」を披露。最後にコーラス隊9人をステージへ招き、年末といえばのベートーヴェン交響曲第9番「歓びの歌」大合唱から「曇りのち晴れ」に繋ぐハッピーな展開で、会場中から大喝采が贈られたやなわらばーだが、前述通り年明けにはオリジナル楽曲を収録したミニアルバム『愛歌』のリリースを控えている。
冒頭で紹介したテレビ番組でのブレイクがあり、2人にとって2013年は大きなターニングポイントとなった。沖縄方言で“愛おしい”を“かなさん”と表現することから、“かなうた”と読むタイトルが冠された『愛歌』がリリースされる来年は、どのような沖縄節J-POPで聴き手に感動の一時を届けてくれるのだろうか。
◎【涙宴ツアー2013~クリスマス&大忘年 Special night~】
2013/12/20(金) at 浜離宮朝日ホール 音楽ホール
[セットリスト]
01.みんな空の下
02.いちごいちえ
03.アカユラ
04.人魚
05.ワダツミの木
06.サクラ
07.何もしなくていいよ
08.青い宝
09.今日という日を歌にして
10.メドレー(雪の華~M~たしかなこと)
11.旅の途中
12.蕾
13.ゆくい
En1.きっと大丈夫
En2.第九合唱~曇りのち晴れ
◎ミニアルバム『愛歌』
2014/01/22 RELEASE
CRCP-40353 2,000円(tax in.)
収録曲:
1.まばたき
2.きっと大丈夫
3.何にもしなくていいよ
4.日常の歌
5.母さんのようになれるかな
6.旅の途中
<Bonus Track>
小さな恋のうた
◎YouTube「やなわらばー「きっと大丈夫」MVティザー」
http://youtu.be/owzonfvWHxE