今秋に2ndアルバム『バンド・デシネ』をリリースし、全国ツアー【More Pricks Than Kicks TOUR】を開催したドレスコーズ。12月7日、その最終公演をSHIBUYA-AXにて開催した。
<やっぱりゴッホじゃやなんだ!>
シン・リジィ「ヤツらは町へ」等のオールドロックを聴きながら、ロックンロールを絵に描いたような男たちの登場に焦がれる観客一同。そこへ丸山康太(g)が現れ、エディ・ヴァン・ヘイレンよろしくのライトハンド奏法も取り入れたギターソロを演じ、会場が湧き上がったところで菅大智(dr)、山中治雄(b)、志磨遼平(vo)も登場し、ド頭から「どろぼう」「ゴッホ」など新アルバムからのキラーチューンを連発。「ぼくはゴッホじゃやなんだ やっぱりゴッホじゃやなんだ!」の叫びには、当然ながら嬌声と無数の拳が上がる。
<ロックンロールを絵に描いたような>
最初のMCで「ただいま、東京。こんばんは、僕らがドレスコーズ。僕らがドレスコーズ! 僕らがドレスコーズ! 僕らがドレスコーズ! 今日の僕らどうだい!? 良い曲ならいっぱいあるんで、最後まで楽しんで帰って」と告げれば、今度は胸に染み渡る優しい歌を。ザ・ビートルズのバラードにも似た、普遍的な哀愁を内包している「Silly song, Million lights」などに先まで暴れていた人々がどっぷり浸っていく。が、そこから「シネマ・シネマ・シネマ」で叩き起こされれば、あとはもうロックンロールを絵に描いたような光景が目前に広がっていくだけ。
<なぜドレスコーズでなければいけないのか>
「青春時代が終わったらもうそのお先は真っ暗なんて、そんなのは僕は嘘っぱちだと思うんだ。ジジイになるぐらいなら死んだ方がマシだなんて、そんなのは嘘っぱちだと思うんだ!」と「ハーベスト」を歌い、「君のその悲しみとダンスを踊ろう!」と「(This Is Not A)Sad Song」を踊り、「これがロックンロール、わかんないヤツは 全員くたばれ!」と「トートロジー」で客席へ飛び込んで魂を鳴らす。また、アンコールで披露された「Automatic Punk」では、4人の暴れ馬がそれぞれ主張剥き出しの音を響かせながらも、巨大な熱の塊を創造。なぜドレスコーズでなければいけないのか。その答えを音楽で体現する。
<クズのクズによるクズクズクズクズクズの為の最後の曲です!>
最後は「クズ担当の志磨遼平です。人間のクズ担当の志磨遼平です。誰よりもクズの志磨遼平です。生きててごめんねクズの志磨遼平です! クズのクズによるクズクズクズクズクズの為の最後の曲です!」と、愛すべきクズたちと「Trash」で大団円。大喝采を浴びながら4人はツアーの幕を下ろした。なお、彼らは【rockin'on presents COUNTDOWN JAPAN 13/14 supported by Windows】【LIVE DI:GA JUDGEMENT2013】等、今後も各所でのライブが決定しているので、まだ生でドレスコーズを体感していない人は、ぜひ足を運んでみてほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:松本時代
◎ライブ【More Pricks Than Kicks TOUR】
12月07日(土)SHIBUYA-AX SET LIST:
01.どろぼう
02.ゴッホ
03.Lolita
04.Zombie
05.SUPER ENFANT TERRIBLE
06.リリー・アン
07.フォークソングライン(ピーターパンと敗残兵)
08.Silly song, Million lights
09.シネマ・シネマ・シネマ
10.ベルエポックマン
11.We are
12.ハーベスト
13.Teddy Boy
14.(This Is Not A)Sad Song
15.トートロジー
16.バンド・デシネ
En1.Automatic Punk
En2.Trash