シーモアは、植物好きで優しい男だが、ドジで気が弱く怒られてばかりの冴えないキャラクター。2人が演じてきたカッコいいキャラとは真逆の存在だ。

鈴木:得意分野は、実はこっちなんですよ。今までも「ザ・カッコいい」というキャラクターは、舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」のダンテとか、舞台「幽☆遊☆白書」の蔵馬くらい。どちらかというと“変化球”を求められることが多いので、シーモアはストレスなく楽しくやれています。

三浦:僕、いつも役の雰囲気をつかむために、まずはセリフを「三浦宏規」で言ってみるんです。三重県出身なんで、三重弁でしゃべってみるんですよ。

鈴木:器用だね! 台本を見ながら変換できるんだ。

三浦:はい、だいたいのニュアンスですけど。それでいつもはある程度つかめるんですが、始めてみると今回はダメで。僕にとってはけっこう難しい役ですね。自分の中から手繰り寄せるというより、離れたところにパッと駆け寄る感じというか……。でも、自分と違いすぎるからこそ、演じがいがあります。

鈴木:役の近づき方でいうと、僕はいつも演じる役と友だちになるんです。そして稽古を重ねて親友になっていく。親友ってクセとか好みも全部知っているし、動きもだいたい想像がつくじゃないですか。それが助けになるときもあります。そうしないと、殺人鬼とかの役がきたとき難しくて。自分が演じている以上、否定してしまうと役はできないので、肯定するためには一番身近な存在でいようと。今はもう、シーモアのダメなところもかわいいから、親友に近いかな。

三浦:メモしますね(笑)。次の作品からそのやり方にもチャレンジしてみようかな。

(ライター・大道絵里子)

※記事の続きは「AERA 2020年3月16日号」でご覧いただけます

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