リスクを取ってでも転身を見据えるのであれば、支出を減らす必要がある。生涯コストを抑えるポイントが健康だ。
「収入は自分でコントロールできませんが、健康はコントロールできます。ランニングや食生活の改善など、できることはすぐにでも始めるべきです」
自営業やフリーランスとして働く場合、会社員の厚生年金に当たる年金の2階部分をどう確保するか。深野さんは、終身払いが原則の国民年金基金への加入を勧める。
大学院などで学び直す際に留意すべきことは何か。
深野さんは「入り口だけでなく、出口をプロデュースできる人でないとコストの掛け損になります」と言う。資格を取った後、どうやって持続可能な収入につなげるか。資格を取って自営業を目指す人が筋の良い顧客を確保するには、斡旋(あっせん)業者に頼るより、自力で築いたネットワークや人脈がカギになる。今の会社の同僚や取引先も顧客になる可能性があり、転身を図る前からの積み重ねや自分を売り込むプロデュース力を養う準備が必要だ。(編集部・渡辺豪)
※AERA 2020年2月17日号