一方で、弘中アナは、世間からのイメージについては冷静に分析している。「WEBザテレビジョン」(昨年9月21日配信)では、テレビの中の自分はキャラクターが乗っていたり、切り取られ方で見え方も変わってくるため、「私であって私でない」という感覚があると明かしていた。その姿を世間の人に本質だと捉えられてしまったり、少し違った見方をされたりすることもあり、つらかったこともあったという。また、自身は何かをゼロから生み出す才能はなく、人から与えられたほうがいいという考えだとか。アナウンサー試験を受けた理由も、周囲から「受かるとかっこいいよ」と言われたからで、自分の人生は“他人任せ”なのかもしれないと自己分析していた。そんな取りつくろわない性格だからこそ、視聴者から支持されるのだろう。
「30歳になり、会社でも『これからどうするの?』と聞かれるが、『言われたってわかんないよ』というのが正直な気持ちと、昨年のインタビューで話していたのも、いかにも彼女らしい。ここ数年で、社会や環境がどうなっているか、よりわからなくなったので、しなやかに臨機応変に生きていくことが、大事なのではと語っていました」(前出のテレビ情報誌の編集者)
芸能評論家の三杉武氏は、弘中アナについてこう評する。
「入社半年で『ミュージックステーション』のサブ司会に抜擢されたほどの逸材でしたが、その後もテレ朝のエースアナとして活躍を続けています。バラエティー番組ではオードリーの若林正恭さんをはじめ、さまざまなタイプの個性豊かな売れっ子芸人たちと共演していますが、持ち前の頭の回転の速さやトーク力、絶妙な距離感、優れた洞察力で見事な対応を見せており、守備範囲の広さを感じさせます。“あざといキャラ”のイメージもありますが、実はサッパリした性格で、フリートークでは自然体で本音や素で話している様子が画面越しにも伝わってきます。そのあたりが女性ウケのよさにつながっているのでしょう」
人気に実力が備わってきた弘中アナ。「最強の局アナ」のポジションを築く日も近いかもしれない。
(丸山ひろし)