この人は何に困ってるんだろうとか、何をしたら喜んでくれるだろう、そういう細かいところを観察し続けて気にかけてあげていると、いずれ必ず逆転勝ちが起きます。

「優しさの逆転現象」と僕は呼んでいるんですが、20代前半までは自己主張がはっきりできる、わがままな人が強いかもしれません。それが就職活動という場では目立つし、就活は人生の一つの大きな関門なので気にしてしまうのも仕方ないことです。でも、ちゃんと自分の優しさにプライドを持って細かいことに気づいていれば、必ず引き上げられます。容姿だけで注目されたり、調子よく自分のことしか考えなかったりする人よりも、自分のことをちゃんと考えてわかってくれるこの人に重要な案件を任せよう、と思う人が現れるはずです。

 自己否定につながる繊細さを、自分の中で邪魔ものとしてしまうか、宝物としてとらえるか。そこから始めてみてください。意外とみんなバレないようにしてるだけで、自己否定しているものですよ。

AERA 2019年12月23日号

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