


世界中で「レリゴー」現象を巻き起こした1作目から5年、「アナと雪の女王2」がヒットしている。描かれるのは、アナとエルサの姉妹の進化と、男性の葛藤だ。
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11月22日に全国公開されたディズニーアニメ映画「アナと雪の女王2」がやはりヒットしている。小学生の娘と見に行こうとした女性(51)は公開前日に予約を入れたが、「週末の昼の部はほぼ満席。土曜夜7時の回になりました」
公開最初の週末3日間の興行収入は19億4205万円、観客動員数は145万人。さすが、日本の歴代興行収入第3位の255億円を記録した「アナと雪の女王」の続編だ。
シリーズを手掛けたプロデューサー、ピーター・デル・ヴェッコ氏によれば、続編の製作を決めたのは、1作目の公開から1年半後だったという。
「ファンの皆さんから、例えば、『エルサの力はどこから来たのか』『あの力で何をすべきなのか』『なぜアナにはその力がないのか』とか、いろんな質問をいろんな所で受けたことが大きかった」
「アナ雪」にはまだ語るべきストーリーがある──。2作目は、1作目からどう変化したのか。
まずは、前作「アナと雪の女王」のおさらいから。主人公はすべてを凍らせる力を持つエルサと、アナの二人の姉妹。二人のプリンセスが主人公となるのはディズニー映画史上初だった。しかも、エルサを救う「真実の愛」は、王子様のキスではなく、姉を助けたいと自ら犠牲になろうとしたアナの愛。ディズニーはプリンセス像に時代の変化を反映させてきたが、Wプリンセスに「家族愛」というテーマはこれまでとは一線を画していた。
家族愛というアイデアを提案したクリス・バック監督は、「僕たちが作ろうとしている作品は、タイムレスでありながらタイムリーなもの。どんな映画も今日の社会をある程度は反映したものとなる」としつつ、
「何か新しいものをやってみたい。そういう時が来た、と思いました。王子様のキスによってお姫様が目覚めて救われる、というクラシックな作品はディズニーのレガシーでもあり、僕のDNAに入っているとは思います。でも、姉妹が主人公になった時、『真実の愛』というものは、今の時代においては“家族”の愛でもいいと思ったんです。その家族は血が繋がってなくてもいい。“家族”の愛がすべてを救う。そこにみんなが賛同してくれて生まれたのが前作です」