Will Becher/1980年、イギリス生まれ。英国のアニメーション制作スタジオ「アードマン・アニメーションズ」所属。「チキンラン」(2000年)のクレイアニメーション班に参加しキャリアをスタート。経験を積み、「アーリーマン~ダグと仲間のキックオフ!」(18年)ではアニメーション監督を務めた(撮影/写真部・片山菜緒子)
Will Becher/1980年、イギリス生まれ。英国のアニメーション制作スタジオ「アードマン・アニメーションズ」所属。「チキンラン」(2000年)のクレイアニメーション班に参加しキャリアをスタート。経験を積み、「アーリーマン~ダグと仲間のキックオフ!」(18年)ではアニメーション監督を務めた(撮影/写真部・片山菜緒子)
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「映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」/ある夜、林のなかに光り輝く物体が不時着する。翌日、ショーンは食べかけのピザを見つける。12月13日公開 (c) 2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.
「映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」/ある夜、林のなかに光り輝く物体が不時着する。翌日、ショーンは食べかけのピザを見つける。12月13日公開 (c) 2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.
「アーティスト」発売・販売元:ギャガ、価格1143円+税/DVD発売中 (c) La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilm
「アーティスト」発売・販売元:ギャガ、価格1143円+税/DVD発売中 (c) La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilm

 AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。

【「映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」の写真はこちら】

*  *  *

 取材場所に、ウィル・ベチャー監督は「ひつじのショーン」をはじめとするキャラクターのクレイモデルとともに現れた。

「表情によって目の大きさが違うんだ。じつは耳にはグリッターも入っていてね」

 まるで我が子を紹介するかのように、一体一体について丁寧に言葉を重ねる。どれも「映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」の撮影で実際に使用されたものだ。

「ひつじのショーン」は、クレイアニメーション業界を牽引するアードマン・アニメーションズによる「ウォレスとグルミット」から誕生したキャラクター。テレビシリーズとしてスタートし、この映画は劇場用長編2作目だ。テレビアニメ同様、台詞はない。

「最も大きな挑戦は、どうすれば1時間以上もの間、観客の心をつかみ続けることができるか、ということ。初めてショーンの映画を観る方でも楽しめて、世界観を広げることができる物語を、と考えました」

 そうして生まれたテーマは「SF」だ。ある日、ひつじのショーンの前に、不思議な力を持つ宇宙人ルーラが現れる。どうやらUFOに乗ってやってきたらしい。ショーンとルーラが心を通わせていくシーンには期待と喜びがあふれ、観ていて素直に心が動く。

 制作期間は4年。その多くは、コマ撮り撮影に費やされているものだと思っていた。けれど、ベチャー監督が強調していたのは「僕たちは脚本をつくる時間をとても大切にしている」ということだった。

「ルーラはショーンに話しかけるとき、どんな気持ちかな? こうしたことは本当に起こるかな?といったことをとことん話し合いました」

 ルーラという存在についても、共同監督や脚本家、プロデューサーと話し合いを重ねた。

「“違う場所からやってきた人”とどのように接してきたか。僕たちそれぞれの経験を披露しあったんだ。『交換留学生みたいな感じかな』なんて言いながら。僕には、8歳と12歳の二人の娘がいるので、彼女たちを見ていて感じたことも、反映されているよ」

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