「いだてん1 前編」ビクターエンタテインメント提供
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「いだてん3 完結編」ビクターエンタテインメント提供
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「いだてん2 後編」ビクターエンタテインメント提供
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 今年もまもなくフィナーレを迎えるNHK大河ドラマ。毎年なにかと視聴率が取り沙汰されるが、俳優、映画監督、ミュージシャンなどとして、多くの表現手段を持つ宮藤官九郎が脚本を担当した今年の「いだてん」は、とりわけ音楽ファンから注目を集め続けている。大きな理由の一つが、明治以降の大衆文化というニュアンスを見事に表現した劇中音楽担当の大友良英の仕事だ。

【画像】「いだてん」ジャケット他にはどんなものがある?

 その大友が手がける「いだてん」のサントラ盤CDが、年間通じて3種類もリリースされる長期展開になっていたことをご存じだろうか。

 そもそも「いだてん」は、明治から昭和、戦後……と時代をダイナミックにまたぐ近代文化史的な位置付けをも持つドラマだ。宮藤とはロックバンド「グループ魂(たましい)」の仲間でもある阿部サダヲが主役に切り替わってからは、政治とスポーツの関わりが焦点の一つとなっていった。そのリアリティーも含めたストーリー展開は、まさに“大河ドラマ”と呼ぶにふさわしかったと感じる。

 サントラ盤がその内容に合わせて3回に分けて発表されたのも当然と言っていいだろう。実際に、オープニングで流れる「いだてん メインテーマ」も少しずつヴァージョンが変わっているし、場面場面で使用される劇伴と呼ばれる音楽も見事に時代の変化を捉えている。劇中音楽自体も“大河仕立て”になっているのだ。

 宮藤と大友とのタッグとしては6年前のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が有名だが、大友自身は映画やテレビ・ドラマの音楽を20年以上前から手がけている。わけてもテレビは圧倒的にNHKが多く、「クライマーズ・ハイ」(05年)、「白洲次郎」(09年)、「ロング・グッドバイ」(14年)あたりの劇伴は、フリー・ジャズや現代音楽をルーツの一つに持つ大友らしい、スリリングで切れ味のある素晴らしい内容だ。それぞれの劇中にモダンで洒落た、でもどこかに厳しさと寂寞のような匂いを与えていた。

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冒頭の華々しいファンファーレは現代からあの曲への返答