


AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。
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殺人マシーン、ターミネーターは強くてしつこい。逃げても倒しても、また追いかけてくる。
「キャッチ・アンド・リリースが続くからにはターミネーターが強すぎてもいけない。人類をわずかに上回る、絶妙なバランスを取るようにしました」
こう話すのは現在公開中の「ターミネーター:ニュー・フェイト」で監督を務めた、ティム・ミラーだ。
未来の人工知能が創り上げたターミネーターと人類が戦いを繰り広げる映画シリーズは今作品で6作目になる。ストーリーは1作目の「ターミネーター」(1984年)と2作目の「ターミネーター2」(91年)につながる続編だ。
かつてターミネーター役のアーノルド・シュワルツェネッガーが放った「アイル・ビー・バック」(また戻ってくる)という台詞は有名だが、28年を経てまた本当に戻ってきた。その間、シュワルツェネッガーはリアルな世界で政治家になり、カリフォルニア州の州知事を8年務めたりもした。
「アーノルドはターミネーターがはまり役だけど、素顔は人が大好きなんだ。撮影時はおしゃべりで冗談を飛ばし、みんなをひとつにしていたよ」(ミラー)
ヒロインのサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)も戻ってきた。80年代はアクション映画で女性がメインの役割を果たすのはまだ珍しかった。今回サラはダニーとグレースという2人の女性に出会い、一緒に死闘を繰り広げる。パワフルな女性がさらに増えた理由について、ミラーはこう話した。
「特別に女性を起用したという意識はありません。現実を反映しただけ。女性が力を持つことは今はもう当たり前ですから」
そして1、2作目ともに監督だったジェームズ・キャメロンも今回製作で参加している。「エイリアン2」(86年)や「タイタニック」(97年)などヒット作を数多く手がけてきた。