実はこの話にはオチがあって、私がその生き物をカワウソだと勘違いし、撮影した写真をFacebookに投稿したところ、友人たちから訂正されたのです。
これにはみんな大笑いです。
授業の後半には、自作の生き物カードを使った外来生物当てクイズを行いました。
生き物カードの中には、ブラックバスやアメリカザリガニのように本や図鑑で知っているものもあれば、全く見たことも聞いたことがないものも。
子どもたちは生き物の名前などを手掛かりに外来生物かどうかを分類していきました。
正解を発表するたびに一喜一憂する声が教室中に響き渡ります。
では、はたしてクイズに正解すればオッケーなのでしょうか? 探究堂のプロジェクト学習を少しでもご存じの方であれば、その答えが「NO」であることは容易にご理解頂けるでしょう。
このクイズはあくまでこれから外来生物を取り巻く問題を考えていくきっかけに過ぎません。
本プロジェクトでは、私たちの身の回りで増えている外来生物の存在を知ることをきっかけに、生態系とは何かについて学んでいきます。
そして、「自然を守ろう」「外来生物は悪者だ」という一面的な判断ではなく、外来生物の増加を招いている要因をきちんと踏まえ、生態系における相互作用を考察していきたいと思います。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。