大人気グループSHINeeの一員として、ソロアーティストとして、活躍中のテミン。デビュー10年を経て、気持ちが少しずつ変わってきた。完璧なテミンより、自然な自分を見てほしいという。AERA 2019年11月11日号から。
* * *
──7月18日に26歳の誕生日を迎えました。その4日前の大阪のライブではサプライズでケーキが登場すると、ステージの上でとても驚いていました。
僕、全然気がつかなかったんですよ。センターステージからメインステージに戻るときに、急に予定にない音楽が流れて何だろうって思いました。BGMかなと。そうしたら誕生日のサプライズだった。もうみんなとは長い間一緒にやっているんだから気づいていいのに、僕は鈍感だなって(笑)。でも、うれしかったです。
誕生日の当日は、家族と会ってケーキを食べました。自分の誕生日に家族と一緒に過ごせたのが久しぶりだったので、よかったです。
26歳になって思うことは、まずは体を大事にしたいです。あと、いろいろな思い出をちゃんと記憶に残したいですね。僕、あんまり記憶力がよくないタイプなんですよ。昔のことを振り返ってみると、あんまり記憶がないというか……。もちろん特別な場所に行ったら覚えていますが、今年は、たとえば踊りの練習のような、いつもやっているスケジュールでも、きちんと記憶に残したいです。
──26年間を振り返ってみて、子どものときのテミンさんが、今の自分を見たらどう思うと思いますか?
難しいですね。小さいときから歌手になりたかったんです。もし歌手になっていなかったら、ダンサーになっていたかもしれません。本当にダンスが好きだったので。ただ、僕が子どものときは、海外で活動することは想像できませんでした。だから韓国で歌手としてがんばるんだという想像はしていたんですが、時代が変わりましたよね。SNSとか、ネットが素晴らしいじゃないですか。今のように海外に行ったり来たりしながら活動するのは、予想外のことでした。
だから逆に、昔の自分には、日本語とか英語とか勉強した方が絶対にいいよと伝えたいです。もっと子どものころから始めていたら、と思うんです。勉強って早くやるほうがいい影響があるし、学習も早いですし。
──今、幸せだと思うときはどんなときですか。
自分に余裕があるときですね。忙しいスケジュールの中でも余裕を持つことは絶対できると思っていますし、そういう人になりたいです。
正直に言うと、これまで忙しいときには、スケジュールをこなすのが精いっぱいだったこともあったと思うんです。でも、今は楽しくありたい。考え方を変えたら、それができると思うんです。忙しくて疲れていると思うより、スタッフさんたちと久しぶりに会えてうれしいなと思いたい。ここ最近、特にそう思うようになりました。
デビューして10年以上が経つんですが、気持ちの上でも変化がありました。
以前はファンの方へは完璧なテミンを見せることを意識していたんですけど、最近、それが変わってきました。ステージの上でちょっと間違っても、ファンの皆さんはそこも好きになってくれるんですよね。僕ももっと心を開いて、ファンの方に近づきたいと思っています。
だから今、リアリティー番組(本人に密着する番組)を撮りたいんです。2年くらい前にリアリティー番組でスイスに行って、スカイダイビングやきれいな景色を見ながらスキーをしたんですが、もう少し自分の自然な生活を表現したいなと。ファンの方とは長く過ごしていますが、プライベートな生活を見せることは少なかったので、それを見せる機会があればいいなと思っています。僕は結構内向的な性格なのに、ファンの皆さんにプライベートを見せたいと思うのは、僕自身も不思議なんですが。
──最後に、今の夢を教えてください。
それは……かなったら言います(笑)。もちろんソロでもっと大きなステージに立つことができたらうれしい、とかあるんですけれども、今はそれを口に出したくないんです。昔は夢を言葉に出して頑張りましたけど、かなわない夢もありますよね。今は一人で考えたいんです。
でもメンバーに次に会ったら、ステージの上で余裕ができた自分、成長した自分を見てほしいですね。そして、前よりも上手になった日本語かな(笑)。それを見せたいです。
(編集部・大川恵実)
※AERA 2019年11月11日号より抜粋