厚労省の指針に強制力はないが、ある地方医療関係者はこう明かした。
「実名が公表された病院のなかには、採用がほぼ決まっていた医師が、公表を受けて辞退したケースもあると聞いています」
地域の実情を勘案せず、基準としたデータ自体に疑問の声もあがっている。神奈川県の三浦市立病院は、救急以外の項目で診療実績が少ないと判断され、リストには病院が報告した17年度の病床稼働率68%が補足された。佐藤安志事務局長(57)はこう語る。
「ここ10年、ベッドは埋まっています。病床稼働率は平均80%以上で、17年4~6月に一時落ち込んだ結果が反映された。一時的なデータで一方的に判断され、心外。これ以上どうすればいいのか」
※AERA 2019年11月4日号より抜粋