リーチマイケル「このチームを作ってキャプテンとして誇りに思っている」(撮影/写真部・東川哲也)
リーチマイケル「このチームを作ってキャプテンとして誇りに思っている」(撮影/写真部・東川哲也)
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 緑の分厚い壁が次々に立ちはだかり、日本の行く手を阻んだ。相手陣地の奧に広がるインゴールが、遠かった。日本は今大会5試合目で初めてノートライ。ベスト8を目標としていたチームと優勝を狙うチームの差は如実に現れた。

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 前半は両者一歩も譲らない戦いを見せた。前半3分、日本はファーストスクラムで約5メートルも押し戻され、南アフリカに先制トライを許してしまう。同7分過ぎにも、南アフリカボールのラインアウトから、モールでじわじわと押し込まれてしまうなど、序盤から力の差は表れた。前半9分には危険タックルをした相手プロップがイエローカードをもらい、10分間出場停止に。日本が数的優位となり、ウィング福岡堅樹がボールを持って敵陣深く入り込むなど好機をつくるが、南アフリカの強烈なタックルの嵐にトライを阻まれた。日本は結局、前半18分にスクラムのペナルティを得たペナルティゴールでの3点を返すのが精いっぱいだったが、失点も1トライだけにとどめた。

 3-5で折り返した後半。日本は3度続けてスクラムでペナルティを奪われ、そのうち2本のペナルティゴールが決まるなど徐々に得点差が開いていった。ラインアウト成功率は南アフリカの10分の10に対し、日本は13分の8と65%。セットプレーの差も得点の差につながった。

 センターの中村亮土は「圧力があった。これが本当の戦いのトップチームだなと感じた」といい、フッカーの堀江翔太も「自分たちがやってきたことをやりきった。相手が強かった」と完敗を認めた。

 スクラムハーフの流大(ながれ・ゆたか)も「ブレイクダウンの圧力とディフェンスのラインスピードは脅威なものを感じました」と南アフリカのディフェンスの強さに脱帽した。

 スクラム最前列の一角、プロップの稲垣啓太はこう試合を振り返った。

「南アフリカさんのセットピース(ラインアウトやスクラム)は非常に強力でしたし、彼らはそれをスコアに生かしてきました。(決勝トーナメントでは)こういったセットピースが非常に重要になってくるので、そういうところで南アフリカさんの強みを出させてしまったなと思います」

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リーチ「下を向く時間は必要ない」