日本は、1987年のW杯第1回大会から外国出身選手が代表入りしている。日本代表のジェイミー・ジョセフ監督(49)も、99年のW杯に日本代表として出場。15年W杯でも3分の1が外国出身選手で、南アフリカを破るなど3勝を挙げた。

■日本育ちの外国人選手

 外国出身選手について、「助っ人外国人」のような印象を抱いている人もいるかもしれない。だが、一度でも日本代表としてプレーをすると、基本的には他の国の代表になれないというルールがある。一時的な「助っ人」ではなく、自身の人生を懸けた当事者なのだ。前回大会で強豪の南ア相手に大金星を挙げた翌日、フルバックの五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ)も、ツイッターでこうつぶやいていた。

<注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ>

 外国出身15選手のうち、8選手は居住条件などを満たし国籍を変えずに日本代表になれるにもかかわらず、日本国籍を取得している。日本の中学や高校、大学を卒業した選手も9人いる。

 W杯2戦目、アイルランド戦の前半35分に自陣での相手ボールスクラムを押し込んだ日本。フォワード最前列の具智元(25)は韓国出身だ。「アジア最強」と呼ばれた元韓国代表プロップの父を持ち、中学時代に来日、高校・大学と日本で力を伸ばした。

■結束に「おはぎ」と「日本刀」

 主将のリーチは、15歳で札幌山の手高校に留学した当時、体重70キロほどで体の線も細かった。筋トレや走り込み、そして食事で強い体を作りあげ、高校3年生のときには体重100キロに。高校日本代表にも選ばれ、東海大学在学中に日本代表に招集、15年からは主将も務める。日本ラグビーの中で成長した。

 多様な背景を持つ選手たちがスローガンである「ONE TEAM」を目指して結束するために、チームは日本の文化や歴史を尊重する。試合前に食べる勝負めしには「おはぎ」が登場。また、試合後のチーム内表彰では、「ソード」と呼ぶ最優秀選手に日本刀のレプリカを贈る。

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