宮島賢也(みやじま・けんや)/YSこころのクリニック院長。精神科医。著書に『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』※などがある(撮影/古川雅子)
宮島賢也(みやじま・けんや)/YSこころのクリニック院長。精神科医。著書に『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』※などがある(撮影/古川雅子)
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 漫画『うつヌケ』の著者・田中圭一さんの好転のきっかけは、精神科医・宮島賢也さんの著作の存在も大きかった。自身もうつ病に7年間苦しんだ経験がある宮島さんに克服法を聞いた。AERA 2019年10月14日号に掲載された記事を紹介する。

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 僕自身がうつ経験者。7年苦しみました。田中圭一さんが僕の著書を『うつヌケ』で紹介。「アファメーション(肯定的自己暗示)」で潜在意識に働きかける方法に興味を持ってくださったとのことです。

 精神科医として多くの患者さんを診る中、最近大事だなと思うのは、うつになる「環境原因」だけでなく「根本原因」にも目を向けること。職場の人間関係など「環境原因」を変えるだけで、「根本原因」に手を付けないと真の改善につながりません。僕の場合は、母親との関係でした。母は、「学歴」や「社会的ステータス」で人を評価する人で、僕はひたすら勉強を強いられ、医者になった人間です。

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