現地18日に行われた米国代表とベネズエラ代表の準々決勝でもアストロズの主力ホセ・アルテューベ内野手が死球を受け途中交代。右手親指の骨折と診断され、こちらも大会の意義について疑問を投げかけることになってしまったのは残念ではある。

 また、シーズン開幕前に行われるWBCでは調整も懸念の一つ。今回侍ジャパンのメンバーとして戦うダルビッシュ有の所属するパドレスのボブ・メルビン監督も「理想的ではない」とこれまでわずか5イニングしか投じていないダルビッシュの実戦不足を憂慮していた。大谷のように投手としての出場に球団から制限がかかるなど、“出すぎ”も問題のようだが“出なさすぎ”も問題のようで、改めて開催時期や投球制限については考える必要性がありそうだ。

 サイ・ヤング賞3度の右腕マックス・シャーザー(メッツ)も、シーズン中の開催であれば「先発投手は体ができているし、投球制限のようなものはなくなるだろう。本気の選手たちがプレーしてリアルな試合が見られるようになる」と米メディアの『SNY』でコメントしている。今回も米国代表は野手こそ豪華なメンバーが揃ったが、投手は見劣りするだけに、開催時期の再考も大事なのは間違いないだろう。

 また、世界に野球を広めるための絶好の機会にもなるWBCが“米国の都合”で開催されることに関しても、自国から批判がある。NPBのオリックスでもプレーし、前回のWBCでは優勝した米国代表のメンバーとして戦ったアダム・ジョーンズは自身のツイッターでWBCが世界的な野球の普及に貢献しているとし、否定的な声の多い中で“大会の意義”を常に訴えている。

 そしてジョーンズが訴えるように、WBCにあるのはネガティブな側面ばかりではない。特に日本については大会での盛り上がりはもちろん、侍ジャパンがNPBの選手を主体として強さを発揮していることを目の当たりにし、「米国=世界」ではないと認識するファンもいるようだ。

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NPBのレベルの高さに賞賛の声