
八村、渡邊雄、ファジーカスの「ビッグ3」。マークされるであろう彼らの裏でシュートを沈めるキーマンが田中大貴(27)だ。ポイントガードの富樫勇樹(26)が負傷離脱。ラマスHCに代役候補としても名前を挙げられた。ラマスHCはこう評価する。
「サイズ(192センチ)があるので高身長のPGを守れる。バスケットIQが高くゲームの流れを読めるのも魅力」
田中はBリーグ王者、アルバルク東京のシューティングガード。同クラブのルカ・パヴィチェヴィッチHC(51)からは昨季、「いいときの君は誰にも止められない。欧州で監督をしていたら、外国籍でも獲得するよ」と言われたが、裏を返せば好不調の波があるということ。
「常にアグレッシブに行く。いいパフォーマンスをすれば(世界のスカウトの)目につく。インパクトを与えたい」
と、田中はW杯を飛躍のチャンスとしてとらえる。ここまで成長できたのはBリーグ発足のおかげだと、田中。
「常に見られている。意識が変わりプレーが変わった」
6年前に日本代表入り。
「アジアでも勝てず世界なんて考えていなかったし、具体的な道筋を描けなかった。FIBAから制裁を受けた当時を思えば、今は地獄から天国」
W杯予選で戦うのは、トルコ、チェコ、そして世界一のアメリカ。
「予選で終われない。勝って決勝トーナメントに進みたい」
※AERA 2019年9月2日号