現物の金を保有する形態として最もポピュラーなのが、金地金(きんじがね)。盗難のリスクこそあるが、独特のずっしり重い手ごたえは、金ならではの醍醐味だ。
金地金を購入するには、貴金属会社や地金商の店舗や郵送などで申し込める。200万円以上を購入する場合は、犯罪収益移転防止法に基づき本人確認書類の提出が必要になる。
基本的にクレジットカードや小切手での購入もできない。クレジットカードを不正使用して、換金率の高い金を購入、転売、現金化するのを防ぐ意味合いもあるようだ。
金地金は2019年8月現在、1キロ=約500万円、500グラム=約250万円。単純にその日の金の「税込み小売り価格×重量」で計算した代金を支払えば、買える。
ただ、購入する重さによってはバーチャージがかかる。バーチャージとは、海外から輸入した金や買い取った金をすべて、工場でいったん溶解して再び作り直す際の加工手数料だ。バーチャージは買うときも売るときもかかる。
貴金属会社の中には500グラム以下(300グラム、200グラム、最小5グラムなど)の金地金を販売している場合があるが、軽量になるほど、購入代金に占めるバーチャージの負担が増える。
実はこのバーチャージ、500グラム以上の場合は無料。つまり金地金の購入は500グラムまたは1キロで買うのが一番トクなのだ。予算さえ許せばバーチャージなしで購入したいものである。
バーチャージは購入のときだけでなく、500グラム未満の金地金を売却するときにもかかる。その際も500グラム以上の売却ならバーチャージは不要だ。
「500グラム以上の金を買うお金はない。小重量でもいいので金地金に触ってみたい」という人へ。最軽量5グラムのバーだと、チャージ率は15%近くに達する。その場合は、チャージ率が3%台まで下がる50グラム・25万円前後のバーを購入したほうが、余分な手数料を減らせる。