「キャリアの立教」を打ち出す立教大もその一つだ。同大では「社会を知る講座」と銘打ち、学内で定期的に講演会を開いている。さらに、重厚長大な企業だけでなく、新興企業の動きにも目を向けるよう学生に呼びかける。キャリアセンターの担当者は言う。
「たとえば、メルカリさんがCtoCで成功し、世間も注目しています。わたしたちが従来の販売だけを見ていてはミスマッチが起きてしまう。学生には働き方や世の中の変化を感じ取ってほしいのです」
こうした取り組みが「選ばれる大学」につながる。
その効果もあってか、近ごろでは金融業界よりもサービスや情報系の業界に進む学生も目立ち始めた。同大の担当者はこう続ける。
「人生100年時代。つまり、人より企業の寿命のほうが短いと考えるのが当たり前になりつつあります。組織依存の安定から、個人依存の安定へと変化している。自分が活躍できる場所で働きたいと、学生自身も思っているのでしょう」
(編集部・福井しほ)
※AERA 2019年8月5日号より抜粋