司会者からの「死ぬほどの恋をするなら、(今回の登場人物では)誰?」という質問には、男性陣が堅実な様子を見せた。
「なかなか難しいんですけど、そうだなあ、ホントに申し訳ないけど富栄さんはちょっときついかなあ。やっぱり、美知子さんですかね」と小栗さんが言えば、成田さんも「ぼくも美知子さんかなあ。なんかこう、帰る場所があるというのがいいと思います」。
一方、女性陣は好みが分かれた。沢尻さんは千葉雄大さんが演じた静子の弟を指名し、「かわいいけど芯があって、いいなと思う」。すかさず蜷川監督が「唯一、しっかりしている子。エリカ、ちゃんとそういうところ見つけるよね」と合いの手を入れ、二階堂さんは、太宰の創作意欲をかきたてた「静子がいい」と即答した。
最後に水を向けられた蜷川監督は、「けっこうダメ男好きなので、キングオブダメの太宰さん。これ以上ダメな色っぽい男は作れないというところまで作ったので、相当色っぽくて、ダメだけど説得力のある男になっていると思います」とアピール。
小栗さんも、「ぼくにとって、自信をもって面白いと皆さんに観てもらえる映画。でも、嫌いにならないでください」と笑わせた。
「人間失格~」は、8月28日から開幕するベネツィア国際映画祭のジャパン・フォーカス部門で上映されることが決定した。
「史上最高に色っぽいダメ男」という鮮烈な太宰像、太宰ファンもそうでない人も、ぜひスクリーンで確かめてほしい。(編集部・熊澤志保)