私は政治的、経済的、社会的に男女の機会が均等であり、夫婦別姓や同性婚が合法化される社会を望んでいます。なので、そういったことの実現に積極的かつ具体的な施策を持つ候補者が当選すること、私にとって無茶な法案が通らない議席バランスになることを望みます。消費税、憲法、老後資金、働き方、経済などさまざまな論点がありますが、そのすべてにかかわってくることです。

 今の政治については、政府から発表されることと自分の生活で感じることにやや乖離があるように思います。ピッタリ一致している人もいるとは思いますが、私はのちに取り消された年金の不足問題以外には実感が伴いません。

 政治的な意見の対立がヘイトを伴う分断を促すようなことにならないために、どんな政党を、誰を選べばいいのか。ギリギリまで模索するつもりです。(寄稿)

●小島慶子(エッセイスト)

 政治において、選挙は特殊な状況だと思います。政策を訴える地道な活動や誠実な主張だけではなく、戦略的な人心掌握術も大いに問われるところがありますよね。選挙活動といういわゆる「ハレ」の場で、勝利までの物語をドラマティックに盛り上げ、ライバルを叩かないと、票は集まりません。

 有権者として気を付けたいのは、宣伝の要素が多分にあるということ。権力を得たい人にはやりたいことがあり、必ずしもそれに国民が賛成してくれるとは限りません。多くの政党や候補者は選挙のときは「受ける話」をします。相手がいいなと思うことを言い、賛成を得られるかどうかわからない話や、議論が分かれる話は引っ込めておく。

 勝った政党は、声高に語らなかった政策を実現する段になって、「選挙の時に国民の信を問うた」と、きっと言うでしょう。そのとき、「ちょっと待って」と思うことがないようにしたいですね。

 政党や候補者の主張をよく読み、理解することは大切ですが、有権者として賢くあるためには、候補者が声高には言わないこと、選挙で主張する耳に優しい言葉の裏側を理解したうえで、投票することだと思います。

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