「期日奉告の儀」のため賢所に臨む天皇陛下(5月8日午前、皇居・賢所)(写真:宮内庁提供)
「期日奉告の儀」のため賢所に臨む天皇陛下(5月8日午前、皇居・賢所)(写真:宮内庁提供)
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「期日奉告の儀」のため賢所に臨む皇后さま(5月8日午前、皇居・賢所)(写真:宮内庁提供)
「期日奉告の儀」のため賢所に臨む皇后さま(5月8日午前、皇居・賢所)(写真:宮内庁提供)

 新天皇が即位し、新しい時代が到来した。生前退位だったことから30年前の代替わりとは違う雰囲気となった。ベテラン皇室ジャーナリスト3人が代替わりを振り返りながら、今後の天皇像などを語った。

【写真】「期日奉告の儀」のため賢所に臨む皇后さま

●座談会参加者
久能靖さん:元日本テレビアナウンサー。数々の報道番組を担当。「皇室日記」のキャスターを長年務めた
近重幸哉さん:「女性自身」皇室担当記者。長年皇室取材を担当。著書に『明仁天皇の言葉』など
山下晋司さん:元宮内庁職員・元「皇室手帖」編集長。現在はBSテレ東「皇室の窓」監修など

*  *  *

──お集まりいただくのは2016年以来、3年ぶりです。前回は上皇陛下の「おことば」の後でした。代替わりを振り返っていかがですか。

久能:明るいムードの中で行われ、気持ちのよい御代替わりでした。一般参賀にも参りましたが、東京駅を降りたとたんに長い列ができていた。特に若い世代が盛り上がっていたのが印象的でした。上皇陛下が天皇に即位されたときは、昭和天皇崩御の直後でしたから、雰囲気は暗かった。即位後初の一般参賀も改元の1年10カ月後でした。

山下:30年前の御代替わりは、私は宮内庁の報道室で対応に追われていましたが、そのときとまるで違いました。お祭りのような面もありましたが、若い人たちが天皇や皇室を意識する機会になって、とてもよかったと思っています。一般参賀にもたくさんの人が訪れ、「令和をよい時代にするぞ」という空気が広がったように感じました。

近重:一般参賀では、「天皇陛下、皇后陛下、万歳!」という声が聞こえてきました。天皇、皇后両陛下もにこやかに、聞こえていらっしゃるようなご様子でうなずかれていた。あれほど明るい笑顔をお見せになったのは、上皇陛下が生前でご譲位されたことのよい面だったと思います。

久能:元号を1カ月前に決めたことも大きかった。元号の予想をするなど、明るいムードを作り上げた。お元気なうちに退位されると、こんなに明るく新しい時代を迎えられるということを印象づけました。お元気なうちの退位は、先例になっていくのではないでしょうか。

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