そこにこの出馬。彼が最も痛烈に批判しているのは、民主党エリザベス・ウォーレン上院議員が打ちだした「富裕税」です。人口の0.1%にあたる資産5千万ドル以上の富裕層の資産に2~3%課税し、10年で2兆7500億ドルの税収増を社会保障費などに充てるというもの。快進撃を続ける民主党のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員も1千万ドル以上の年収に70%課税する案を提案(現在およそ37%)をしています。ある世論調査では、米国民の59%が富裕層の課税に賛成しています。
シュルツがテレビで富裕層課税は「アメリカ的でない」と激しく非難すると、全米は激怒。ブルームバーグ前ニューヨーク市長が「シュルツが第3党から立候補するのはトランプ大統領の再選を助けるだけだ」と呆れています。
こういう経緯を見ていると要するにこの男の頭の中には自分の金儲けしかないのだということがわかります。CBSテレビに出演したシュルツが「私は誰よりも頭が切れる訳ではないが、優秀な人々を使って政治を行います」と発言したところ、トランプがツイートで飛びついて「あいつは違う。だって、それはもうアメリカにいるからな! ぐはは」と早くも敵に塩を送ったところです……あ~あ。
※AERA 2019年3月11日号