先程同じ質問があり、「『新しい地図』が『半世界』」と、いかにもネットニュースになりやすそうなことを言ってしまいました(笑)。嘘ではないんですが、他にも意味はいっぱいあると思います。プライベートもそこで世界だし、今ここで喋っている自分も一つの世界。僕らはいろんな世界でいろんな顔をして進んでいかなくてはいけない。僕にとっては小さな世界がいっぱいあって、「今日はこっち、明日はあっちの世界で生きる」というイメージです。でも、「新しい地図」はまだ半世界かなという意識はあり、小さい世界だと思っています。映画は「半世界」と「全世界」が繋がってるという話ですが、僕らも今は小さくとも、もっと大きく羽ばたいていくことができればいい。半世界って面白い言葉ですよ。すごくいいタイトルだと思います。

 映画は40歳前の同級生男3人の物語だけに、見る者はつい「新しい地図」の3人の関係と重ねてしまうかもしれない。

 僕も比べられるだろうなと思っていました(笑)。でも、正直なところ、撮影中はあまり意識していませんでしたね。(草なぎ)剛と(香取)慎吾と僕の3人は友達というわけではありません。ビジネスパートナーと言うとすごく冷たい言い方ですが、友情以上の緊張感がある。これはグループの時もそうでした。3人で活動を始めた今も良い距離感を保ちながらやっていきたいし、緊張感も必要だと思います。自分たちの全てを赤裸々にさらけ出す必要はないと思うんですよ。親友だから全部さらけ出さなければいけないというのとも違うと思っています。だから、慎吾と剛との距離感は今までと変わりません。ただ、3人だけになって初めて知ったこともある。発見は日々あります。昨年パリで行われた慎吾の個展(「NAKAMA des ARTS」展)で、僕の知らない2人を発見したこともたくさんありました。

 最後に、2018年の振り返りと今年の抱負を聞かせてもらおう。

 昨年はゼロからのスタートという気持ちでしたので、これほどうまく良いスタートが切れるとは思っていませんでした。多くの人が付いてきてくれました。一番はファンの方。そしてメディアの皆さんも注目してくださり、すごく応援してくれました。本当に恵まれているなと思います。ただ昨年は「新しい地図」の実質スタート1年目ということもあって注目してくれたと思いますし、ちょっと贔屓目に見てくださったところもあったと思います。これからは中身がしっかり伴わないといけない。僕自身も良い作品をもっともっと届けていきたいですし、話題だけではなく、実力で評価されていきたいと思っています。

(フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2019年2月4日号より抜粋